第42話彼女のポケットに

「本当に? なら、止められるものなら止めてみなさい」

エミリーは立ち上がった。取り乱す気配など微塵もなく、むしろ挑発するように言い放つ。「レイエスさん、後悔しないといいですね」

そう言うと、彼女は踵を返して出て行こうとした。

「止めろ!」

アイザックが部下に命じた。

だが男たちは怖気づいて動けない。胸の奥がざわつき、足が地に根を張ったようだった。

アイザックだって分かっているはずだ。自分が手を出せない相手なら、向こうには並外れた腕がある。なのに、なぜまだこんなに短慮なのか。

「レイエスさん、落ち着いて、ジョンソンさんときちんと話し合ったほうが……!」

「黙って消えろ、この裏切り...

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